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少子化対策にモノ申す!

産まない理由 今まで誰にも言えなかった私たちのホンネ

産まない理由 今まで誰にも言えなかった私たちのホンネ

通勤電車で読むにはちょっと勇気が要る、と思うのは私にもコンプレックスがあるからなんでしょうね。子どもを産まない人、産みたい人、産んだ人それぞれの女性の立場から語られる本音。少子化の根っこはここにあるのに・・・。
今の日本では、働く女性は仕事と出産・育児を両方得ることは難しい。だけど本当はキャリアと子どものいる人生の両方を手に入れたい人が大半だと思う。
国の少子化対策は、「産めばお金をあげますよ」といったもの。出産適齢期の人たちが、「目先のお金がないから産まないのだ」としか考えられない役人たちは現実を知らなさすぎる。経済的な援助はもちろん、精神的な支援、安心して子どもを育てられる社会がなければ勢いでもない限りは産めるはずがない。
結局なぜ産み控えるかというと、自分の老後さえあやうい社会に子どもを産み落としていいものかと考えるのと、自分が育った環境に次世代に引き継ぎたくないものがあるからだと思う。誤解を恐れずに言うと、何も考えずに「結婚したら子どもを産むのが当たり前」と思える人は、経済的な苦労も親から受けた精神的苦痛もない幸せな人だと思う。
常々疑問に思っていたのが、結婚や出産をする人に対しては誰も「なんで結婚するの?」「なんで子どもを産むの?」とは聞かないのに、未婚の人や結婚していて子どもにいない人に対しては平気で「なんで結婚しないの?」「なんで子どもを産まないの?」と聞く。自分もそんな無神経な質問をしたことがないとは言わないけど、どうして「する」選択が自然で、「しない」選択が不自然なんだろう。
本来女性だけの問題ではないはずなのに、何にせよ犠牲を強いられるのは女性のほう。頭の古い人間が考える、「男は仕事、女は家庭」の図式は男性が家族全員を養える経済力があった時代の話。今はみんながそうできるわけではない。それどころか、ニートフリーター契約社員が増え、自分の生活さえままならない男性が急増しているわけだから、女性が子どもを産むためには収入は半減し一家が貧しくなることを覚悟しなければならない。これでは少子化が改善されることはまずないだろう。余談だけど、20代30代の未婚男性が結婚相手に望むことの1位は「料理好き」、2位は「やりくり上手」。この辺は進化なし。なのに3番目に多い意見が、「経済力がある」。・・・矛盾してないか!?
いろんな女性の意見が書かれていましたが、正直自分も含めて、子どもを産みたくない女性などいないのではないでしょうか。「産みたくない」と言っている人も、産んでも仕事に支障をきたさず自分らしく生きられるのなら産みたいと思うはず。自分の子育てに対して、希望と不安を天秤にかけたら不安が大きいから「産まない」と言い、だからこそ「今は仕事が大事」「育てるものは子どもだけではない」などと理論武装しなければいけなくなるのでしょう。
「産まない」ことには理由がある。かなしいけれど。「産まない」は「産みたいけど産めない」とほとんど同義語だと認識してしまった、そんな一冊です。