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 酒とパンダとごはんとコドモ。無理せずラクに、まいにちのくらし。

なーちゃん、ごめん!

いま、女として―金賢姫全告白〈上〉 (文春文庫)

いま、女として―金賢姫全告白〈上〉 (文春文庫)

この本を借りてからもう10年以上経ってるのでしょうか・・・?借りパチしたまま読んでなかった上下巻をまとめて読んでみましたが・・・面白い!!
蜂谷真由美こと、金賢姫が育った北の常識が、ありえないほど間違ってるのにいちいち驚きます。
お金があっても店に品物がなくて買えない中、ヤミで手に入れてでも欲しいものがナイロンのジャージ!!これはくつろぎ着にも外出着にもなるみんなが羨む優れものらしい。また、学生は朝早くから夜遅くまで授業がある上に、偉大なる首領様のために踊りの練習をさせられたり、班でお互いを見張っては告げ口するようなシステムが組まれた学校生活を送り、さらには勉強だけでなく農村やら炭鉱やらに行かされたり、「ハエを200匹捕まえる」とかよくわからない課題まであって、どう考えてもこうやって教育された人間だけで国が発展するわけはないという内容。映画も政府の作ったものしか見れないし、内容も南に捕まった主人公がひどい拷問を受けるとか偏った認識を植えつけるもの。飛行機を爆破することが祖国のために必要な任務であり、失敗したら死をもって秘密を守るべきだと信じて疑わなかった彼女のアイデンティティが崩れていく様が滑稽で哀しい。ここに書かれている北の生活がすべて事実なら・・・国民の生活は無駄に操作されているとしか思えない。本当に豊かな国になりたいなら上の人間だけが贅沢してたって発展しませんよ。この本は一読の価値あり(←読んでなかったくせに)!今、この時代に読むのもおススメです。