pandalzen

 酒とパンダとごはんとコドモ。無理せずラクに、まいにちのくらし。

教師だって男子なのだ

5年3組リョウタ組

5年3組リョウタ組

茶髪にアクセサリー、見た目はイマドキ、熱血なわけではない、だけど生徒の目線で生徒のことを本気で考えられる先生、中道良太25歳。地方の名門公立小学校・希望の丘小学校を舞台にした1年間。
新聞に連載されてたのね。
読みやすいとは思うけど、やっぱ石田さん苦手かも・・・。なんかイラっとする。(駄洒落ではない。)
設定が関東の架空の地方都市なんだけど、地域性もあるのかもしれないけど公立なのに年度末のテストでクラスごとの順位を決める小学校ってあるの?1学年5クラスあって学年毎に運営する主義の学校だからといって、違う学年の先生とはほとんど口もきかなかったり、校長や副校長と一般教師との上下関係とか、なんかリアリティがない気がする。モンスターペアレントやベテラン教師の新任いじめなども「型通り」って感じ。
同じ世代ながら論理的で説得力もある染谷先生は、他の先生からも一目置かれクラス競争も常にトップを争うような優秀な教師。彼に助けられながらさまざまな問題を解決していく様子も上手くいきすぎな感じだし、ドイツ製スポーツカーを乗り回すクールな頭脳派と、直情型の主人公という組み合わせもありきたりな気がする。そんでその染谷先生も実は貧しい生い立ちがあって自分をさらけだせないでいるという設定は工夫がないし、その設定が説明だけで後々生かされてない。
クラスのいわゆる「いい子」が教室を飛び出すような問題行動を起こすようになったのは、エリートの父親に出来のいい兄と比べられて「おまえはダメ人間だ」と言われたり暴力を受けたりするからだとか、その子が「先生はダメじゃない」としゃくりあげるシーンとか、すごく上すべりな印象。
細かいことを言うと、教師の突発的な病気や出張のために数名の非常勤講師が無駄に常駐してるのは不自然だし、月曜日の給食がミラノ風カツレツとカルボナーラで金曜日にトマトソースのパスタって、内容はともかく週に2回もパスタって出るか?また、「生徒」ではなく「児童」、「美術」ではなく「図工」ではないの?とか、ふたりが住む独身寮が、バブルの頃に建てられたせいでコンクリート打ちっぱなしでホールにコルビジェのソファがあるなんて、現実とかけ離れすぎてて興ざめです。寮自体今はどんどんなくなってるし、公的機関はバブルだからってそんなとこにそんなセンス発揮しないと思うんだけど・・・。
人物の魅力も薄いし展開もフツー。本当にこんな先生がいたらいいだろうなあ、という爽快さもないことはないけど、アマゾンの評価がやたら高いのが腑に落ちない。現代版「坊ちゃん」らしいけど、あくまで流行作家の作品という感じ。そこはかとなく漂うオシャレ感がウザイのか。
余談ですが、別冊宝島石田衣良Style』インタビューより。
「嫌いな物。関西人。結論からいうと、品性下劣だから(笑)彼らは金さえ儲かれば何をしてもいいと思ってる。法に触れなければ、他人に何しても気にしない。自分に自信がないから、ブランド物で着飾って、自分を大きくみせようとする。こっちは眼中にないのに、関東人を目の敵にしてる。なんなんだろうね、彼らは。動物だよ。人間としてのプライドがない。というわけだから、嫌いな東京に金儲けだけのためにわざわざやってこないでください。東京の空気を下劣な振る舞いで汚さないでね(笑)これでも相当ソフトにいってるんだよね」
・・・なるほどね。相容れないわけだ。