pandalzen

 酒とパンダとごはんとコドモ。無理せずラクに、まいにちのくらし。

ギョーザから思うこと

たまには時事ネタで。食の安全ということが叫ばれている今日この頃ですが、まさかあんな劇薬が混入してるなんて誰も夢にも思いませんよ。それにしてもテレビや新聞の報道をみても、冷凍ギョーザの需要の高さにかなり驚きました。
誤解を恐れずに言うと・・・。ひとりやふたりの家族ならともかく、食べ盛りの子どもがいる家庭なら家で作った方が安いし安全で安心だと思うのですが。でも取材を受けたある主婦は、「おいしいので週に一度は食べていた」と言ってるし、かなり多くの人がリピートしている様子。
確かに、外食産業の伸びはバブル期から横ばいだそうですが、いわゆる「中食(なかしょく)」というのがここ数年急激に伸びているようです。つまりお惣菜やレトルト、冷凍食品など。確かに加工食品を活用すると、外で食べるよりは安く、自分で作るよりは楽にあるいはおいしく食べられるメリットがある。スーパーに行ってもお惣菜コーナーはどんどん充実し、食材をイチから揃えるよりリーズナブルだったりもする。デパ地下に行けば美味しそうなおかずがよりどりみどりだし、生のギョーザやコロッケを買って家で加熱調理すれば満足度はかなり高くなる。便利なものは私も時々利用しますが、もともと「ごはんは家で作るもの」と思ってるので、毎日使う気は起きません。
忙しい現代、調理の手間を省いて団欒の時間を確保することも賢い選択かもしれません。しかし今さかんに言われている「食育」の観点から言えば、子どもが自分の口に食べ物が入るまでの過程を見ることは大いに必要なんじゃないかと。特にギョーザなんて、家族みんなで包めば楽しいもんだし、小さい子どもでも参加できる料理だと思いますよ。
中国の工場で作った冷凍食品が日本で大量に消費されてる状況というのは、生産の効率とか経済の問題点も多々あると思いますが、冷凍ギョーザを食べているかぎり、子どもはいろんな食材がかたちを変えてギョーザになっていくまでのことは考えないで済むわけです。何よりも「無駄を省いて結果オーライ」な世の中が子どもたちから「自分で考えて相手の立場を推し量る作業」を取り上げてしまったんじゃないかとすら思うわけです。それは大人にも言えることですが。
そのくせ「子どもにはいろんな経験をさせたい」とばかりに唐突にキャンプに連れてったりしちゃうアンバランス。大人も子どもも非日常ばかりがクローズアップされて、足元の日常生活が置いてきぼりにされてる気がします。いろんなことが点と点のまま、どこともつながらずに漂ってるのかなあ、と感じたりしてしまったできごとでした。