たまにはこんなのも読みます
怒りをコントロールできない子の理解と援助―教師と親のかかわり
- 作者: 大河原美以
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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幼い子どもは、自分が感じているエネルギーを、周りの大人が「うれしかったんだね」「悲しかったんだね」と正しく言い当ててくれることによって、身体に流れるエネルギーを「喜び」「悲しみ」と認識することができる。混沌とした感情が言葉と結びつくことによって他者と共有できるものとなり、それが感情の「社会化」といわれる。しかしこの経験が不足すると、一般的に認められやすいポジティブな感情は社会化しやすいけど、周囲の大人も認めにくい怒りや悲しみなどのネガティブな感情は、社会化されずに抑えつけられることになる。だから怒りや悲しみは子ども自身の中で得体の知れないモヤモヤした恐怖として存在し、それは他人(家族や友人にも)知られてはいけないと思い込んでしまうのかもしれない。いや、それ以前にその感情自体を認識できないのだと思う。
身体と感情が解離してしまって、本人が感じている辛さを周りにわかるように表現できない状態。私もそうでした。かなり苛酷な状況にも認識すらできなくて、自分は平気なんだと信じ切ってました。今思えば、学童期からもっとも多感な思春期にかけて、他人の感情や架空の物語に心を動かされるという体験がなかったような気がします。映画を見て泣くことができるようになったのは大人になってから。
自殺する前にサインを出せる子は自殺しないと思います。救いを求めることは自分が置かれている状況を理解し受け入れていなければできないのでしょうね。それには幼少期からの関わりがとても大きいのだと感じます。